叶う瞬間はごく平凡

ずっと結婚したがってて、結婚した、30代半ば女の日記

愛おしさが閾値を超えると相手が赤ちゃんに見える

職場の先輩には小さなお子さんがいる。
朝、ふとんに潜りこんできて「おしゃよう」と言うらしい。

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その話きいて、ちょー興奮した。
まだ赤ちゃんだから、「おはよう」が言えなくて「おしゃよう」になるらしい。
めちゃくちゃ可愛いじゃないか。なんてこった!
わー! 明日あさ目覚めたら、私のふとんにも「おしゃよう」って起こしてくる、目に入れても痛くなさそうな男児が潜りこんでこないだろうかっ!神さまっ!と思った。ってか、口にしてた。
先輩は言った。
「それ、潜りこんでんの多分、成人の男だよ」

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…しっかりせねば。


男性というのは、外ではキリッとして、いいなーと思ってデートとか行って、
まだまだキリッとしてんだけれど、
おつきあいして向こうが安心してくると、
彼女の前ではちょー甘えん坊とか、
家庭が出来たら「かーさん靴下どこー?」的な、
いづれにせよ小学3年生みたいな感じになる。下ネタばっか言って。

なんか、男性って大変なんだなって思う。
働いててもまだまだ「男だろ、弱音吐くな」とか「男なんだから奥さん風邪ぐらいで仕事休むな」なんて言葉が団塊上司からの言葉で飛び交うし、
売り上げの結果を争うプライドの戦いとか、
誰が一番ガールズバーの女の子にモテて、誰がいつも選ばれないかとか、
部下がついてきてるとかきてないとか、
そうゆうたくさんのしがらみを背負って、毎日キリッとしてんですね、と思うと、
ほんとお疲れさま、って思う。
おまけに、時代の風潮もあって、切れ味ある女性がどんどん追い上げてくるだろうから、
マルチタスクな女性と、一点集中型の男性で、要領の良さを比べられたりもして、
そりゃ家ではヘニョヘニョしたいよねー。

で、今好きな人が、たまにガチで赤ちゃんに見える時がある。
私は母性が強い方だけど、彼も放っておいてもなんでもできるから、
基本「してあげる」スタンスはしない。私が「したい」ことを「ついで」で彼にする。

例えば、朝、自分がトーストを食べるからついでに彼のも焼く。
昨晩、実家からソラマメが届いたから、どうしても新鮮なのが食べたくて、
時間が無い気味だったけど、ゆでて食べた。
彼も食べてた。

そして、狭い1ルームでバタバタとそれぞれ支度して家を出た。

私と彼はあんまり会話しないのだけど、
駅までの出勤途中、彼が会話の中で
「豆と、パン食べた。 アンちゃんが焼いてくれた。」
と言った。

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子どもかと思った。
産んだ覚えないけど。
文節的にも。大の大人の台詞じゃないみたいだった。


「うんうん、食べたね、豆とパン。アンちゃん目の前にいたよ?見てたよ?」

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こゆ顔になる。
彼が赤ちゃんみたいに見えて、すごくやさしい気持ちになる。


今井美樹の『プライド』の歌詞に
「わがままさえ 愛しく思えたなら 本当に幸せ」って一小節があって好き。
パートナーのわがままなんてけっこううんざりするものだし、
正直ぜんぜん共感できないけど好き。
この歌詞が良いのは、「わがままさえ愛しくおもえる」までいくことが
「良い」とか「悪い」とかじゃなくって、
「それが私にとって幸せなんだよねー」ってただ言ってるだけのとこ。
何が自分にとって幸せかは、個人差あるよねって思う。

私は「わぁ♡ この人、赤ちゃんみたい!」と思える瞬間が
なぜかめっちゃ幸せ。
多分、無償の愛情みたいなものをこの人に注げそうな感じがすることが、私には幸せなんだと思う。


「母性が強いと相手がダメになるよ」とか「尽くしちゃダメ」とか
よく言われるけど、
これからも母性キーは高め設定でいく。
だってデフォルトで高めだから。長女だし。
ってか「尽くしちゃダメ!」とか言うひとほど、人に甘えんぼさんで生きてる。

でも、「何でもかんでもやってあげることがパートナーにとっていいこと」と言ってるわけじゃない。
互いの距離が近づきすぎないように
関係を育むバランスが大事なんだなって思う。

だって彼氏のこと、産んだ覚えないし。
かーちゃんでは無いのだ。