いわゆる同棲ってやつを、試みることにした。
で、ここ最近は引っ越し作業でバタバタしてた。
一緒に住む同居人の宝物は、学生時代に株とバイトで大金を叩いて買った、シモンズのベッド。
これが、セミダブルで重くて大きく、越してくるウチには入らないので、実家に運ぶことになった。
同居人は、某、個人の引越し業者さん(⚪︎帽さん)に依頼して
ガタイがよくてよく喋るおっちゃんが1人、やってきた。
狭い2階の通路。6畳の1DKから、大切なシモンズを運び出すミッションを任されたおっちゃん。
「どうしようかな、ココをこう持って、こう傾けて出して…」
「15時超えちゃうと、追加料金になるんですよ!」
で、結局なぜか彼も一緒に運ぶことになった。
同居人は静かに気合を入れ、ベルトを締め直した。
「しっかり締めて!そう、腰圧あげたほうが怪我、しないんで!」とおっちゃんは言った。
お金払ってるのに部下みたいな扱いの同居人。
いよいよベッドを運び出す。
おっちゃんがミッションを説明する。
「僕が一度、外に出します。危ないとおもったら、必ず言ってくださいね!すぐおろしますんで!コレきっかけでギックリやる人も多いんで!いいですか?!
命のほうが大切なんで!
ええ…そう……、
命のほうが、高いんで!!!!!」
6畳がポカーンてなった。
命 > 腰 > ベッド…
………当然やん…???
プライスレスやで、命は。
あ、言葉間違えたな、って思って、
同居人はクールにスルーしてた。