叶う瞬間はごく平凡

ずっと結婚したがっていた、昭和なアラサーOLの話。

顔合わせせずに入籍したコロナ婚

お題「ささやかな幸せ」

わたしは1年半同棲してた今の旦那さんと、

コロナ禍に入籍した。

 

旦那にプロポーズされた1ヶ月後、

実家に挨拶に来てもらった。

 

わたしの実家が三重県なので新幹線で行った。

2020年の2月、まだコロナが外国とクルーズ船の出来事だった頃。

 

マスクはしていたけれど、ふつうに実家の部屋にあがり、うちでケーキを食べた。

 

彼が父に挨拶した。

いつもグダグダしてた実家のリビングの、

ちゃぶ台が片されて父がドーンと座布団にあぐらをかいていて、彼の緊張感が伝わった。

 

彼が、結婚する旨を伝えると、

父が

「今どきの子が、こうしてわざわざ地方まで親に挨拶まで来てくれて、俺はうれしい。」と、

真っ直ぐ彼に伝えた。

父はわたしの方を見て、

「幸せか?」と聞いた。

こんなこと聞かれるのは初めてだった。

自意識過剰でクラスで浮いてた高2の頃は、

何度もこのリビングで「消えたい」と暴れてた。

 

同じリビングに、今、大好きな彼と

両親がいる。

 

消えなくてよかった。

「うん。幸せやよ。」と父に心から答えた。

声が震えた。

 

父は彼にも、

「幸せですか?」と聞いた。

彼は「はい。」と、答えた。

 

 

誰も「幸せにします」「幸せにしてやってくれ」「幸せになれよ」なんて言わない。

 

自分自身が「幸せに感じてるか?」を問う父。

やるやん?わたしの父。

だからわたしの父。

 

わたしはず結婚式やSNSで家庭を持って幸せそうに笑う友達を見て、ドカンとくるものだと勘違いしてた。

アラサーになり始めた26頃から突然。

 

でも、帰省するといつも、

そんなことはどうでも良くなる。

 

暖かい料理を食べて、気の知れた人とダラダラして、言いたいことを言って「またがんばろっ」って前向きな気持ちになれる日々。

 

幸せはドカンと派手な花火じゃなかった。

ゆるっとフワフワっとして、

日常的にホットカーペットのように温め育まれて、「今日の生姜焼きうっま!」くらいのささやかなもの。

 

「幸せか?」の父の質問と

結婚の挨拶。

 

彼の真摯な姿勢にも、

ちょっと感動した。