わたしは1年半同棲してた今の旦那さんと、
コロナ禍に入籍した。
旦那にプロポーズされた1ヶ月後、
実家に挨拶に来てもらった。
わたしの実家が三重県なので新幹線で行った。
2020年の2月、まだコロナが外国とクルーズ船の出来事だった頃。
マスクはしていたけれど、ふつうに実家の部屋にあがり、うちでケーキを食べた。
彼が父に挨拶した。
いつもグダグダしてた実家のリビングの、
ちゃぶ台が片されて父がドーンと座布団にあぐらをかいていて、彼の緊張感が伝わった。
彼が、結婚する旨を伝えると、
父が
「今どきの子が、こうしてわざわざ地方まで親に挨拶まで来てくれて、俺はうれしい。」と、
真っ直ぐ彼に伝えた。
父はわたしの方を見て、
「幸せか?」と聞いた。
こんなこと聞かれるのは初めてだった。
自意識過剰でクラスで浮いてた高2の頃は、
何度もこのリビングで「消えたい」と暴れてた。
同じリビングに、今、大好きな彼と
両親がいる。
消えなくてよかった。
「うん。幸せやよ。」と父に心から答えた。
声が震えた。
父は彼にも、
「幸せですか?」と聞いた。
彼は「はい。」と、答えた。
誰も「幸せにします」「幸せにしてやってくれ」「幸せになれよ」なんて言わない。
自分自身が「幸せに感じてるか?」を問う父。
やるやん?わたしの父。
だからわたしの父。
わたしはず結婚式やSNSで家庭を持って幸せそうに笑う友達を見て、ドカンとくるものだと勘違いしてた。
アラサーになり始めた26頃から突然。
でも、帰省するといつも、
そんなことはどうでも良くなる。
暖かい料理を食べて、気の知れた人とダラダラして、言いたいことを言って「またがんばろっ」って前向きな気持ちになれる日々。
幸せはドカンと派手な花火じゃなかった。
ゆるっとフワフワっとして、
日常的にホットカーペットのように温め育まれて、「今日の生姜焼きうっま!」くらいのささやかなもの。
「幸せか?」の父の質問と
結婚の挨拶。
彼の真摯な姿勢にも、
ちょっと感動した。