私は芸術大学に通ってるので、
ふだん、作品を作る時、教授の顔色をちらっと伺うことはあっても、
政府の目を気にすることはありません。
わたしたちは「表現の自由」で守られているので、
私がどんな残虐非道な四コマを描いても、偏った性嗜好のイラストを描いても、
捕まったりすることはないんです。
今日は、その「表現の自由」について考えるきっかけになりました。
『非実在少女のるてちゃん』は、京都大学の吉田寮で「笑の内閣」という集団が公演したお芝居です。
簡単に言うと、
マンガの世界からきた「冷泉のるて」ちゃんが、
「18歳未満のキャラ、いわゆる非実在青少年が性的な行為をする創作物の販売を規制する」条例を
可決しようとする大人たちに対向するため、
反対派の仲間を募って行動してゆくというお話。
世の中で少数派の「キモイオタク」たちの意見が「きもい」と一言で
聞き入れてもらえないところなんて、
私にもふつうに潜在している偏見だ。
このお芝居の面白かったところは、
いろんなパロディを交えながら、個性的な役たちが、
真剣にそれぞれの意見を発表してゆくところ。
特に、討論会のシーンがかなり勉強になった。
台詞に、こういうのがあった。
そうです。
「ゲームをすると頭が悪くなる」とか「血液型診断」と同じように、
根拠のないニセ科学。
これは、犯罪者の家宅捜索から、ロリコンっぽい本が見つかったことで広まった考え方ですが、(あえてかんたんに言うけど。)
誰だって、棚や引き出しの奥深くに、エロ本とかあるでしょう。
なかったらPCのハードディスクか。
そこばっかとりあげて、真に受けちゃうのが、マスコミマジック★
こわいこわい。
マンガやアニメで表現された「子どもに見えるキャラクター」の
性的な行為を規制する。
うーん。
小学生が大人とセックスするようなロリ漫画は、作るな、買うな、持つなってこと????
ようわからん。
ネットや同人誌で売られてる物まで、どうやってチェックするの?
そのシステムが想像つかない。
誰か詳しい人いらっしゃいますか?
わたしは、
子どもの裸がネットで簡単に見れたり、親がそれを売ったり、
性的虐待とか…断じて許せない……
かなしい。
そんな欲望こそ、「架空のエンターテイメントで処理してくれよ!!」って思う。
確かに不愉快だよ?
なんか、もえもえ〜みたいなバカな子どもの女の子のキャラが
「おにいたん!」みたいに言ってる作品は、ヤダ!
でも、その「ヤダ!」は私の嗜好であって、
それを「ダメだ!」って言う権利なんてないのだ。うん。見たけりゃみてろよ。
私に押し付けてこない限りべつに、見てもいいんだよ。
今回の作品は、
権力に弾圧される話とか、虐待のハナシ、教育、正義とか悪とか選挙とか、
なんだかもういろんなものが混じってとてもややこしかったのですが、
ひとつわかったのは、
「不快なもんは不快や!」ってことです。
不快な作品は、見なきゃいい。
でもあえて興味本位で見て、それでも不快なら意見すりゃ良い。
誰かが傷つく表現は嫌や。不快度MAXや。
だからAVの、なんかすっごいバイオレンスなジャンルも、女性としてかなり不快。
役者さん、かわいそう…って思ってしまう。
でも2次元はちょっとちがう。実在せんもの。
※『非実在少女のるてちゃん]』はある意味攻撃的なコトバと、「反対派」の思想でつくられた作品です。
※クリエイターならこの芝居、勉強も兼ねて見る価値アリです。
※感想とかかいちゃってますけど、私は「北原みのりさん」にかなり影響うけてます。