郵便局員さんが優しかった話。
閉まるギリギリ17時前に、ベビーカー急ぎ足で到着。
荷物をそそくさと梱包して出し終えると、
郵便のカウンターの女性が
「かわいいですね!男の子ですか?女の子ですか?」と声をかけてくれた。
「男の子です」と答えると、
可愛いですねぇ、何ヶ月ですか?あら、2ヶ月!まだ身体、しんどくないですか?とわたしのことまで、心配してくれた。
わたしは、「17時でクローズ準備したいだろうに申し訳ない」
と思っていたけど、
「夜は寝られてますか?」
「うちの子はもう小学1年ですけど、
1歳になるまで、睡眠時間2時間しかなくて大変でした」と
わが子を思い出し嬉しそうに話してくれた。
誰とも張り合うわけでもない、マウントのない町
産後の里帰りで思うことは、この町に帰ると比べる気がなくなる。
この町から、海外に行って活躍してる子もいれば、東京で経営者をしてる子もいるし、
田舎なので全部筒抜けだけど「だからなに」って話で、
地元で米屋を継いだ子も、キャバ嬢とデキ婚した子も、みんな同じ。
誰が偉い、とかない。
地元は田舎で、いまだに「寄り合い」や「町民運動会」がある、
駅からも離れた小さな集落。
ご近所さん同士の会話も超ゆるい
となりのおばあさんが「今日も買いもん行ってきますわぁ」と言えば
おばさんが「なにか用事があるってだけでも良いことですに」と返す。
別にブランド品を買わなくてもいいし、
スーパーへ行くだけで肯定される。
自慢したり偉そうにするとダサ見えする町
ここでなにかをさりげなく自慢しようとすると、ちょっとダサい空気になりがち。
自慢するなら「えっへん!新しい車買ったぞ!ええやろ⁉」みたいにハッキリとどや顔する。
「どんな仕事してるか」とか、関係ない。
自分のしたいことを、自分のペースで楽しんで、畑の野菜・潮干狩りの貝・釣りの魚・旅行のお土産なんかのプチ幸せをお裾分けする、心の余裕がある。
それに、この町から出られないわけでもなく、
近所のじいさんらからは「娘が神奈川にいて」とか、「孫が千葉県で…」とか、身内が都内で働いているよって話もよく聞く。
そうじゃん、べつにそれぞれ自分なりの幸せを持って感じるだけで良いんじゃんって、
思い出させてくれる故郷。
田舎で閉鎖的だなともあるけど
それぞれのオリジナルの「幸せ」を探して、
ときには人さまの幸せも喜んだりして、
とても心癒させる里帰りになってる。
子ができたから堂々といられる、田舎のデメリット
こんなふうに思えるのも、わたしに子どもが生まれたから。
「どんな立派な仕事してるか」とか、関係ないけど、「どんな家族と住んでいるか」はやたら詮索してくるのが、我が故郷。
田舎の多くの大人たちは結婚して子どものいない独身と何を話したらいいか解らないので、異質に見えるのだろう。
休日とか、謎なのだ。
だから、独身だと「結婚」「出産」の話題しか振られない。
これが苦痛でたまらなかった。
だから帰省しても近所付き合いには参加せず、隠れるように家にいた。
言ってる方は、なんの意図もないかと思うけど、
結婚して子どもが生まれてなくても、「おお!久しぶり!元気に頑張っとるか?」で良いと思うよ。
近所の子どもが帰省で帰ってきたのを見かけたときは、
「立派になったなぁっ」て思いながら、余計なことは言わないばぁさんになりたいよ、わたしは。